遠近両用メガネってどんなメガネ?

今も昔もメガネをかけている人はたくさんいますが、メガネには色んな種類があるのをご存知ですか?

例えばお年寄りの方々が顎を上げ下げして上目遣いにしたり下目遣いにしたりという姿を見かけますよね。

あれは遠近両用メガネと言って、レンズの上の方は遠くを見る用、下の方は近くを見る用の度数が入っているのです。
つまりお年寄りの方々は遠近両用のレンズの上と下を上手に使い分けて物を見ているというわけですね。

では若い人がかけているメガネはどんなメガネなのでしょうか。
他にも種類はあるのでしょうか。

今回はメガネの種類について一つずつご紹介致します。

メガネには色々な種類がある

メガネには色々な種類がある

メガネの種類は主に以下の4つです。

  • ・ 単焦点メガネ
  • ・ 遠近両用メガネ
  • ・ 中近両用メガネ
  • ・ 近近両用メガネ

もしあなたがメガネをかけているならば、これらのうちのどのメガネかご存知でしょうか。

それぞれのメガネの特徴を見ていきましょう。

単焦点メガネ

単焦点メガネ
単焦点メガネ:ピントが1ヶ所に合うメガネ

単焦点メガネは字のごとく焦点が1つのメガネです。

主に子どもさんや若い方がかけているメガネですね。
40歳ぐらいまではピント調節力の衰えはほぼ見られませんので、単焦点メガネで遠くも近くも見えます。

基本遠くにしっかりとメガネの焦点を合わせ、あとは自分の目の調節力を使って近くまで見るというわけです。
よってレンズのピントは1ヶ所に合わせるので大丈夫です。

目のピント調節力というのは、40歳から60歳ごろまでゆっくりと低下していきます。 いわゆる『老眼』です。

老眼がある方はピント調節力が低下するので、単焦点メガネでは遠くと近くの両方を見ることが困難になります。

しかしお年寄りの方でも単焦点メガネを使っている方はいるんですよ。
遠くと近くのメガネを2つ持ってかけ替えをすれば、単焦点メガネを使うのは可能です。
(近視の方は裸眼で近くにピントが合っているので、遠くだけ単焦点メガネをかけて、近くはメガネを外して裸眼で見るのでOKです。)

単焦点メガネ

※ 乱視がある方は遠視や近視の度数に合わせて乱視度数もレンズに組み込まれます。

遠近両用メガネ

遠近両用メガネ
遠近両用メガネ:遠くと近くが両方見えるメガネ

遠近両用メガネは1枚のレンズの上の方が遠く用、レンズの下の方が近く用に度数が加入されているメガネです。

お年寄りの方で遠近両用メガネを使っている人は多いですよね。
あなたの周りにも使っている人はいませんか?

遠近両用レンズは、上から下まで段々とレンズの度数が変化していきます。
レンズの真ん中部分には中間距離にピントが合う部分が少しありますが、この部分で中間距離を見るのは難しいので、遠くと近くの2ヶ所をメインに使うのがおすすめです。

遠用部分は基本5mに合わせますが、近用部分は30㎝、40cm、50㎝など加入度数を変えることで好きな距離に変えることが出来ます。
本や新聞を読みたい、パソコンをしたい、お裁縫をしたい、レジで価格を確認するときに使いたいなど、用途に合わせて作成してください。

またレンズの両サイドは構造上、物が歪んで見えてしまいます。見たい物を横目で見ると歪んで見えるので、顔ごと正面にして物を見るといいですね。

一つのメガネで遠くから近くまで見えてしまうのですから便利なメガネです。

しかし時々この遠近両用メガネを使いこなせない方がいます。
使いこなせない方の多くは、レンズの上の部分と下の部分を使い分けられていません。

視力を測ってみるとメガネの度数は合っている。
しかし実際に使い方を見せてもらうと、見るべきポイントに上手に視線を合わせられていないんですね。

遠くを見るときはレンズの上の部分、近くを見るときはレンズの下の部分です。
眼科では、「顎を引いて上目づかいで遠くを見て(レンズの上部分を使って)、顎を上げて目線を落として近くを見て(レンズの下部分を使って)下さい。」と説明しています。

慣れると自然と目線を動かして使い分けられるので便利ですよ。

どうしても遠近両用が使えない方は、遠近を別々の単焦点メガネにして2つのメガネを使い分けてもらいます。
それぞれのメガネのピントが合うところがはっきりしているので、遠近両用より簡単に使うことが出来ますよね。

また遠近両用には境目のないタイプとは別に、下の方に小さな窓のようなレンズが付いた二重焦点タイプがあります。

遠近両用メガネ

昔は多くの方が二重焦点メガネを使っていました。
レンズの下方にある小さな窓の部分は近くにピントが合うので、視線をその窓に合わせれば近くを見ることが出来ます。
境目のない遠近両用よりは使いやすいはずです。

最近は境目のない遠近両用が主流ですが、使い方が難しいという方は二重焦点メガネも選択肢に入れてもいいかもしれません。

ただしレンズの見た目がちょっとと言う方は別のメガネを選択する必要があります。

中近両用メガネ

中近両用メガネ
中近両用メガネ:中間距離(室内)と近くが見えるメガネ

中近両用メガネとは、中間距離(室内)と近くが一つのメガネで見えるメガネです。

レンズの構造上、レンズの上部にごくわずかの遠用部が入っています。
中近両用メガネを使うときはこの遠用部は意識せず、中間部と近用部を使うことをおすすめします。

遠近両用を室内でかけている人は沢山いますが、もう少し室内を楽に見たいという方は、室内用の中近両用メガネを使うことがあります。

もともと近視の方は近視の度数を少し弱め、遠視の方は遠視の度数を少し強めて遠くより少し近く(室内)にピントを合わせます。
遠くをはっきり見たり運転するのはちょっとしんどいけど、室内では楽でいられるし手元もよく見えるというメガネですね。

遠近両用メガネをかけて室内でも大丈夫と言う方には必要はありません。

近近両用メガネ

近近両用メガネ

他には近近(きんきん)両用というメガネがあります。
近近って?となりますが、どちらも少しだけ距離が違う近くのポイントという意味です。

近近両用メガネ:距離の違う2ヶ所の近距離が見えるメガネ

例えばパソコンは50㎝で見たい、パソコンをしながら手元の書類は30㎝で見たいというような場合ですね。

近近両用メガネは、長時間のデスクワークをする方に重宝するメガネです。
最近ではお年寄りの方でもパソコンをされる方が多いので、需要が高まっているメガネの一つです。

近近両用のメガネをかけたまま遠くは見えませんので、近く専用のメガネであることを理解する必要があります。
こちらも遠近や中近両用メガネと同様、慣れると便利なメガネです。

遮光メガネ

遮光メガネ

特殊なメガネとしては遮光(しゃこう)メガネというのがあります。

遮光メガネ:コントラスト感度を下げずにまぶしさのみをカットするメガネ

光がまぶしいと白く霧がかかったように見え、コントラストが低下してしまいますよね。

遮光メガネは、まぶしさの原因となる500nm(ナノメートル)以下の短波長光(紫外線と青色光線)のみをカットするので、コントラスト感度を下げずに物を見ることができます。

まぶしくて物が見えないって不快な感じがしますよね。
遮光メガネはとても目に優しいメガネです。

また遮光メガネは、白内障の手術前後や、網膜色素変性症、加齢黄斑変性や緑内障など、疾患を持つ方の選択肢の一つでもあります。
場合によっては補助具としての補助が出る場合がありますので、対象の方は眼科に問い合わせてくださいね。

遮光眼鏡の色味は、オレンジ系、緑系、紫系など色々あり、濃さも段階があります。
色味や濃さによっては、運転がNGというものもありますので使用する際には眼科に相談することをおすすめします。

遮光メガネとサングラスは何が違うの?と聞かれることがあります。

遮光メガネはコントラストを下げずにまぶしさのみをカットするのに対して、サングラスは目に入る光を均一にカットするため、まぶしさを感じる光だけでなく明るさを感じる光までカットしてしまい、全体が暗くなってしまいます。
(最近では改善されているものも出ています。)

雑貨屋さんでサングラスを買うときは要注意です。

  • 遮光メガネ … まぶしさの光のみをカット、コントラストOK、暗くならない
  • サングラス … 光を均一にカット、コントラストNG、暗くなる
    (※ ただし最近では改善されているものもあり)

サングラスはファッション性は高いですが、暗くなって困ることもあるので、購入する際は太陽光の下でも装用感を確認してみて下さいね。

メガネの種類を理解して上手に使い分けよう

メガネの種類を理解して上手に使い分けよう

メガネは、遠視・近視・乱視という屈折異常を最も簡単に矯正してくれる便利な道具です。

メガネには色々な種類がありました。

以下の4つが主なものです。
見たい距離に合わせて選んでみて下さい。

  • ・ 単焦点メガネ
  • ・ 遠近両用メガネ
  • ・ 中近両用メガネ
  • ・ 近近両用メガネ

これらに加えて、遮光メガネというまぶしさをカットする色付きのメガネがあります。
サングラスとは少し特性が異なります。

必要なメガネが分からないとき、チェックするべき項目は以下の通りです。

  • ・ 今の年齢
  • ・ どこを見たいのか
  • ・ (40歳以上の場合)かけっぱなしがいいのか、かけ替えてもいいのか

メガネの特徴やメガネの正しい使い方を知ることで、より快適な生活を送ることが出来ます。

メガネを使いこなしているにも関わらず、見え方が悪い場合は度数が合っていない可能性がありますので眼科で調べてもらってくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

(藤川 真紀)